第35話 子守唄

第35話 子守唄

     /真斗

「――あれが、結果か」

 早朝になってやってきた茜は、何の感慨もないかのように、ただそうとだけ言った。

「ああ」

 俺の気の無い返事に、ため息が聞こえてくる。

「一応、結界は強化しておいた。しばらくはもつだろう」
「すまない」
「お前……少しは寝たのか?」

 呆れたようにこちらを見る茜に、俺は苦笑して首を横に振った。

「そんな気分じゃなくてさ」

 はあ、と息を吐いて天井を見上げる。
 視線の先に映るのは、何の代わり映えもしない、事務所の天井。
 ――あの時。
 黎と由羅が戦い、二人は傷つき倒れた。
 黎は無事だったものの、意識は無くて。
 今に至るまで昏々と眠り続けている。
 それはいい。たぶん、死ぬようなことはないだろう。
 問題は、由羅のやつだった。

「おい真斗」

 声がかかって振り向けば、所長の姿。

「もう起きたのか?」
「寒いわ変な夢は見るわで寝てられるか」

 言いながら、所長はぶるっと身体を震わせる。
 原因は、所長の下の部屋にいる、由羅だろう。

「茜が咒を強化してくれたから、少しはマシになってると思う」
「――みたいだな」

 件の部屋を見やってから、所長は自分の席につく。
 気をきかせた茜が、熱いコーヒーを所長にへと出していた。

「おっと、すまない。助かるよ」

 所長は嬉しそうに受け取ると、ちびちびと口をつけていく。

「なあ所長。どうにかは……ならないのか?」
「無理だろうな」

 あっさりと返事は返ってくる。

「茜君はどう思う?」
「柴城さんに同感だ」

 茜もまた、あっさりと同意した。

「真斗。あれはお前の刻印よりも た ち 性質が悪い。余波だけであの様なんだから」
「そう……だな」

 俺は由羅のいる部屋を見ながら、小さく頷いた。
 ――あの時、黎は無事だった。
 しかし由羅は違ったのだ。
 俺があいつを見つけ出した時にはもう、冷たくなっていた。
 死んでは……いないと思う。しかし、半ば氷漬けになっていた由羅は、何を言っても反応することは無かった。
 なぜそんなことになったのか、それはあいつの身体に突き刺さった剣を見れば、一目瞭然だ。
 黎が持っていた剣。
 それを突き刺されて、今では完全に凍り付いてしまっている。
 どういう氷なのかは知らないが、どんなことをしても砕けず、徐々にその凍気を増していっていた。
 何とかここまで連れ帰ったものの、由羅を置いた部屋はどんどん凍えていき、その冷気を撒き散らす有様だったので、所長と茜の結界で、それを何とか閉じ込めているという状態ですらあった。
 全くもって、打つ手が無い……。

「あれはもう、封印だな」
「……封印?」

「うん。恐らくだけどな。アトラ・ハシースの禁咒の中に、永久凍土の咒法を併用した、アルレシアル極光戒という凍結封印があるらしいけれど、これはそういうものに近いものだと思う」
「ほう。それはまた……」

 茜の説明に、所長は感心したかのように、声を上げた。

「だとすると、本当にどうにもならんな。禁咒の域に達したものを、人の身で扱うには荷が勝ちすぎている」
「そう……なのか?」
「そういうものだ」

 所長と同じように、茜も頷く。

「――ともかく、あれをこのままここに置いておくわけにはいかないだろう。あまり放っておくと、この事務所も完全におかしくなるぞ」
「……どうしろって言うんだよ?」
「――ああ、そいつはおれが何とかしよう」

 あっさりと返ってきた言葉に、俺は少し驚いて所長を見返した。

「何だかんだ言って、今回のことにお前を巻き込んだのはおれだからな。できる限り便宜ははかってやる。それに何より、ここはおれの住家だしな」
「助かる……」

 素直に、俺は礼を言う。
 そんな俺に、所長は軽く笑って気にするなと言った。

「しかしな。事が落ち着いたら今回のこと、しっかり話してもらうぞ。おれも聞いておく必要があるからな」
「そう……だな」

 当然といえば当然だ。
 どこまで話すべきなのかは分からないが、それでも話せるところまでは話すべきだろう。

「ところでさ。上田さんはどうしたんだ?」

 あの時、偶然というにはあまりにもできすぎたタイミングで上田さんが現れ、黎や由羅を運ぶのを手伝ってくれたのだ。
 しかしその時以来、全く姿を見せていない。

「さてなあ。昨日から会ってないが。上田がどうかしたのか?」

 所長は上田さんの正体を知らない。
 話そうかとも思ったが、やはりやめる。
 上田さんのことを説明するには黎のことも、由羅のことも、全て話さなければならなくなる。
 今の俺に、そんな精神的余裕は無かった。

「いや……何でもない。まだ来てないから、どうしたのかなって思ってさ」
「まだ朝早いしな。そのうち来るだろう」

 俺が話をはぐらかしたところを見計らったように、椅子に座っていた茜が立ち上がる。

「真斗。私はちょっと出てくる」
「用事か?」
「今できた。……けれどその前に一つだけ、確認しておきたい」
「俺に、か?」

 聞き返すと、茜は小さく頷いた。

「お前はどうしたい? あの、二人を」
「なんだよ急に?」
「いいから答えろ」

 その一方的な問いに、俺も少し戸惑ったが、それでも答えた。

「別に、大したことは考えちゃいないさ。仲直りしてくれだなんて、今更なことは思っちゃいない。せいぜい、殺し合いをしないようになってくれればって……な」
「ふん。ここまでのことしたあの二人が、それこそ今更だとは思うけれどな。それでも一応、手伝ってはやる」

 そうとだけ言い残して。
 茜はずかずかと大股で、事務所を出ていってしまう。
 あんまり機嫌はよろしくないらしい。
 それにしても、手伝ってやる……か。
 しかし黎はともかく、由羅をどうすることもできない。茜には何か考えがあるんだろうか。
 それに何より、俺にできることなどあるんだろうか。
 俺がぼんやりと、そう思った時だった。

「おや?」

 コーヒーに口をつけていた所長が、何かに気づいたように視線を彷徨わせる。

「……どうしたんだ?」
「いや……お前、聞こえないか?」
「……何が?」

 疑問を浮かべながらも、俺は耳を澄ましてみた。
 ……やがて、それは耳へと届く。
 声……いや。

「歌……みたいだな」
「そうだな」

 相づちを打つ所長。
 確かにそれは歌のようだった。
 聞いたことのないものだったけれど、その静かな歌は、とても優しい響きで歌われている。

「……いい歌だな」

 所長の言う通りだった。
 沈みかけていた心のありようが、少しとはいえ引き上げさせてくれるような。

「ちょっと行ってくるよ」

 どこから聞こえてくるのかなど、考えなくても分かる。
 知った声。
 こんなに優しい声が出せるのかと、疑ってしまいたくもなるが、間違いはない。

「ああ」

 行ってこいと、所長は頷いた。

     /黎

 目が覚める。
 脱力感の中、わたしは身体を起こした。
 そして息をつく。
 目覚めたばかりだというのに、なぜだか頭ははっきりしている。
 まるで、ただ身体だけが眠っていたかのようだった。

「終わった……のね」

 少なくともあの時、わたしはそう判断していた。
 ユラは、わたしの剣を受けた。
 それがどういう結果をもたらすのか、考えるまでもない。
 いや……どうなったのか、正直なところは分かってはいなかった。
 わたし自身の力では、ユラを殺すことはできない。ならばレネスティア様の力のこもったあの剣の力を展開させて、それをもってすればあるいは――と、考えていた。
 もしかするとその通りになったのかも知れないし、ただ今までのように封印された状態に戻っただけかも知れない。
 それは、分からなかった。
 だがどちらにせよ、それはわたしが望んだことのはず。
 だというのに、少しも気分が晴れることはなかった。
 ユラと相対し、戦い続けるうちに、どうしてだかわたしは追い込まれていっていたのだと思う。
 そして最後の交錯の瞬間、わたしは敗北を覚悟した。
 ユラの力の前に、呑まれ、消えるだろうと悟ってしまった。
 だというのに最後の最後であの子は――

「ぅ……あ」

 嗚咽が洩れる。
 むかむかしたものが喉の奥から這い上がってこようとするが、結局出るものなど何も無く。
 ただ絞られた声のみが、むなしく響いた。

「馬鹿よ……。どうして、どうしてあの子は……」

 そうだ。
 ユラは最後の最後で力を抜き、わざとわたしの剣をその身に受けたのだった。
 理由は何なのだろう。
 真斗との約束を守るためだろうか。
 それとも単に、わたしを殺すことができなかったからだろうか。
 何にせよ、結果はこうなった。
 わたしはもう……。

「え?」

 そこで初めて。
 わたしは隣に寝ている者の存在に気づいた。
 その顔を見て、絶句する。

「な……エクセリア……?」

 思わず、その名を呼んだ。
 わたしの横にあって、寝かされている少女。
 それは間違いなく、エクセリア様だった。

「どうして……」

 眠っているようには見えない。
 まるで息をしている様子が無いからだ。
 しかしだからといって、死んでいるわけでもない。その身体は明らかに生気に満ちている。
 ……それはまるで、人形のよう。
 けれどその姿は馴染み深いものだった。
 エクセリア様も、レネスティアもう一人の妹も、眠っている姿はいつもこんな風だった。
 初めは戸惑ったけれど、もう慣れている。
 ふらつく身体で何とか立ち上がり、わたしはそっとエクセリア様の傍へと歩み寄る。
 この方の、こんな姿を見ることができるのは、本当にどれだけぶりだろう……。
 その懐かしさに、知らず、わたしは歌を口ずさんでしまう。
 むかし、わたしの妹たちを寝かしつけるために歌った曲。
 稚拙な子守唄ではあったけれど、それでもこの子たちはそれで眠ってくれた。
 なかなか言うことを聞いてくれない妹たちの相手は大変だった。でもそうやって一日が過ぎて、寝かしつけて………。
 それはみんな、わたしの役目。
 いろいろと苦労した反面、振り返ってみればそれは幸せであったと思う。
 唯一失ったものがあるとすれば、自分もまたあの人の妹であったということ……。
 姉であろうとしたため、妹としていることができなかったことだ。
 それが、最後の最後で暴発してしまった。
 良い妹で在り続けようとしたユラを見て、どうしようもなく嫉妬してしまったのだ。
 そして自ら全てを壊した。
 ずっとユラのせいにしてきたけれど、本当は、自分の弱さが原因だったのかもしれない……。
 そんなことにはとっくに気づいていたのに、それでも改めることができなかった自分は、結局その程度の人間だったのだろう。
 お兄様に選ばれなかったのも、当然か……。

「――何を泣く?」

 不意の問いに。

「……起こしてしまいましたか」

 瞼を開いたエクセリア様と目が合い、わたしは僅かに頭を垂れた。

「申し訳ありません。耳障りでしたでしょうか」

 思わず口ずさんでしまっていた子守唄のことを、詫びる。
 エクセリア様は、首を横に振った。

「……いや。懐かしく、感じた」

 そう答え、身を起こす。
 そして周囲をしばし眺めやった後、わたしへと尋ねてくる。

「私をみてくれていたのか?」

「いえ……。わたしも今、目覚めたところです。そうしたら、エクセリア様が」
「……そうか」

 頷き、エクセリア様は音も無く立ち上がった。
 そのままどうすることもせず、エクセリア様はただ立ち尽くす。

「…………?」

 違和感を覚え、わたしは怪訝に思う。
 信じられないことであったが、エクセリア様がひどく……落ち込んでいるように見えてしまったからだ。

「……どうか、されたのですか?」

 相変わらず言うことのきかない身体を無理やり動かして、彼女の前にしゃがみこみ、そして見上げた。

「私は……」
「はい」
「私は、この先行きが、自身を含めてわからなくなってしまった。ゆえに逃げた……。この身を真斗に任せ、思考を止めた。――そなたは無事のようだが、由羅……ユラスティーグは?」

 その問いに。

「はっきりとはわかりません。ですが、すでに果たされたものだと、認識しています」
「――――」

 僅かに、エクセリア様が目を見開く。

「氷涙の剣は」
「ユラの元に戻りました」
「…………」

 わたしの返事に、エクセリア様はどこか肩の力が抜けたかのようだった。
 今エクセリア様が何を考えているのかは、分からない。
 しかしこれは、望んだことのはずだった。
 そして。

「――次は、わたしの番です」

 そう。
 エクセリア様が望むもの、望まないものなど知っている。
 わたしは望まれていないものであることも。

「覚悟はできています。命じられれば、いつでも」
「……そなたはまだ生きられる」
「ですが、その目的も消えました」

 わたしはユラに依存していた。
 もしあの子が封印されただけに留まっているのならば、これまでと変わらない。依存し続けることもできるだろう。
 しかし、もうその気は無い。
 今となって、わたしの中の何かが欠落してしまった。
 その気力が、すでに無い。
 例えこの後体力を回復させたとしても、精神は一気に老いていくことになるだろう。
 結果、死なずにいられなくなる……。
 そんなわたしを、エクセリア様はしばらく見返していた。

「……私は、何をやっているのだろうか」
「…………?」

 独白のようにつぶやくエクセリア様に、わたしは首を傾げる。

「私でも、家族……と呼べる者はいた。レネスティア、レイギルア、そなたにユラスティーグも」

 それは、わたしにとっての家族でもある。

「だというのに、私はそれを失ってゆく……。まずはレイギルアを。私は初め、失うその意味がよくわからなかった。だからこそ、そなたとユラスティーグのことも」

 ……わたしとユラがああなった時、エクセリア様はまるで無関心のようだった。
 わたしのすることにも何も言わず、そしてユラの助けにも応じることはなくて。
 ただ、静観していた。

「そして、ユラスティーグを見捨て、変質したその存在を受け入れることができずに。また、そなたの存在をも……。レネスティアに至っては、どれほどの苦痛を与えたことか。……そこまでして、為すべきことだったのだろうか」
「――それを、お悩みなのですか」

 わたしは聞いた。
 エクセリアは答えなかったが、否定もしない。
 認めることが辛いが、事実でもあるのだろう。

「それが滑稽なことかもしれないと感じつつも、わたしはここに至るまで、やり遂げるまできました」
「……私も、迷うべきではないと?」
「いいえ。わたしがそうしてこれたのは、それがわたしの生きる唯一の目的に成り下がっていたことと、そして悩むことをしなかったからです。我ながらに情けなく、愚かな人生であったと思います。ですが、それが必ずしも間違っていたとは思いません。そもそも、何が正しくて何が間違っているかなど、そんな正誤などありはしないはずです。ですから、あなたが間違っていて、レネスティア様が正しいということもなければ、その逆も無いのですよ」
「そう……なのだろうか」
「はい。ですが」

 この先を続けるべきかどうか、一瞬迷う。
 だがすぐに振り払った。
 もう、わたしは終わっているのだから。

「悩むことができるのならば、そうすべきです。そして、後悔も。そうやって、生き方を変えることも……決して悪いことではないはずです」

 わたしがしなかったこと――できなかったことを、それでもそうすべきかもしれないと、奨めた。
 我ながら偉そうなことをと思ったが、言わずにはおれなかった。

「……そなたは、私を見捨てぬのか」
「なぜ、そのようなことを?」
「かつて私は、そなた達に関わろうとしなかった。しかし利用はした。……今回もまた。だというのに、なぜ恨みに思わぬ? なぜ優しい言葉を……かけるのだ?」

 そう尋ねてくるエクセリア様の表情は、それこそ初めて見るほど感情に溢れていた。
 ようやくそんな顔を見せてくれるようになったことに、どこか場違いな満足感を覚えてしまう。
 そして、愛しいとさえ。

「なぜ……そうですね。それは、わたしがあなたの姉だからです」
「――――」
「僭越を、お許し下さい。ですが、わたしは今も……そう思わさせていただいています」
「……それは、レネスティアに対しても?」
「はい」
「ならば、ユラスティーグに対しては」

 即答は、できなかった。
 なぜならば、すでにユラ自身へと答えてしまっているから。
 わたしのことを、今でも姉と思うと言ったユラに対しては、わたしは否と。
 けれど。

「……ここまで想ってしまった相手です。姉妹ゆえであったのならば、やはりわたしは未だに姉のままであったということでしょう」

 いくら憎かろうと、その事実だけは変わらない。
 わたしはあの子に嘘をついたのだ。
 結局、わたしも甘かったということだろう。

「……ユラスティーグは未だ生きている」

 突然そう言われ、わたし息を呑み込む。

「もし死んでいれば、恐らくこの身の精神に、何らかの異常をきたしていたことだろう」
「それは、どういう……?」
「クリーンセスの時の、レネスティアを覚えているであろう?」
「……はい」

 今も尚、あの時のことはよく覚えている。
 あの時より、わたしの憎悪など遥かに凌駕する怨嗟でもって、ユラはレネスティア様に憎まれることになったのだから。

「我らは一度認めたものを失うことを、容認できぬ。……そう、できてしまっている。わかっているつもりではあったが、あまりにも認識不足だった。真斗がそれを、教えてくれた。思えば二人のネレアのことも、それゆえだったのかもしれない」
「真斗、が……?」
「私は真斗を殺せなかった。それどころか、誰かに殺されることすら嫌だった。その、つもりであったというのに」

 真斗とエクセリア様の間に何があったのかは知らない。
 それでもエクセリア様を悩ますほどの何かが、あったのだ。

「私が認めた者は少ない……。それでもその中に、確実にユラスティーグもそなたもいる。私はできぬことを、やろうとしていたのだ」
「……しかし、それでは」
「まだわからぬ。しかしきっと……私はそなたにも、ユラスティーグにも、生きて在って欲しいと思ってしまっているのだろう。……やはり、私はレネスティアに嫉妬していたようだ。だからこそ、気づくのにこれほどの時を費やしてしまった」
「エクセリア様……」
「私は、とてもあの者の姉では在り得ぬ」
「――――」

 その言葉に、どきりとする。
 それはまるで、自分自身の鏡を見ているかのようで。
 わたしもまた、あの子の姉を名乗る資格など無いのかもしれない……。

「ジュリィ」

 名を呼ばれた。

「はい」

 頷く。

「また……これからも、傍に在って欲しい。そしてまた……あの歌を」
「……はい」

 もう一度、頷く。
 けれどこれは、半ば嘘だ。
 わたしはもう終わっている。
 それは変わらない。
 変えるつもりもない。
 しかし残された命……いくばくも無いだろうが、その間ならば捧げてもいいと思った。
 誰に対してでもなく、自分自身に。
 姉という自分に。

「もう一度、歌ってはくれないか」

 今ここでと。
 返事の代わりに、わたしはベッド代わりに使われていた長椅子に腰掛ける。
 エクセリア様も再び腰を落ち着け、そしてわたしの膝に身を任せて。
 少しぎこちなかったけれど、あの時のように。
 この子は眠り、わたしは歌った。


 次の話 第36話 一縷の望み >>
 目次に戻る >>

終ノ刻印Ⅱカテゴリの最新記事