『転生したらスライムだった件③』 感想&紹介

 さて本日は『転生したらスライムだった件』の第三巻の紹介です。

 この第三巻は、初登場人物であるミリムをコンセプトにされており、一巻を通して随所にミリムが出てきます。
 このミリムというキャラクターは、WEB版からかなり見た目の描写が変わっています。ついでに話の内容も、新規の書き下ろしを大幅に加えてあるので、WEB版とはだいぶ印象が変わるかと思います。



 物語の内容はオークロードとの戦いの後、リムルはジュラの森大同盟の盟主になるわけですが、それはそれとして町造りにいそしむわけでですね。ところが一巻で登場したドワーフ王国の王であるガゼルがやってくることで、ドワーフ王国と交渉を持つことになり、リムルの町やその大同盟が初めて国として認識される、という流れになります。

 国家となったことで、既存の国家との関係についても描かれていくようになります。そこに魔王ミリムもやってきて……と、登場人物も増え、人間国家と魔王達の思惑が入り混じり、物語は複雑化していくわけです。
 三巻のクライマックスでは、暴風大妖渦(カリュブディス)との戦いが描かれ、物語は次の段階に進んでいく、という感じで終わります。
 カリュブディスとの戦いについても新規に書き下ろされたもので、WEB版では詳しくなかった魔王達の行動や思惑についても触れられ、改めて読む価値はあったと思います。

 ちなみに作中にでてきたカリュブディスですが、ギリシア神話に出てくる怪物のことで、渦潮を擬人化した魔物、という設定になっています。神話ではポセイドンとガイアの娘で、後にゼウスの怒りを買って罰を受けて怪物になり、メッシーナ海峡に住むようになったとされています。
 つまりオデュッセウスの話の途中に出てくる怪物ですね。オデュッセウスはホメロスの叙事詩『オデュッセイア』で有名ですが、自分もざっとした流れしか覚えておらず、カリュブディスについては聞き覚えすらありませんでした。なのでギリシア神話だったということすら思い浮かばなかったのですが、改めて調べてみて勉強になりました。本というのはこういうことがあるから面白いんですよね。

 ちなみに『転生したらスライムだった件』の第八巻が、8月30日に発売されます。予約もされているようなので、まだな方は是非!