最遠寺黎(ジュリィ・ミルセナルディス)

最遠寺黎 ibisノベル『終ノ刻印』より、最遠寺黎の紹介です。

 新ヒロイン三人娘の一角。
 前作である『悠遠ノ絲』でもヒロイン同士で敵対する関係がありましたが、今回も同じでして、前作の楓の立ち位置にいるのがこの黎というキャラクターです。

 目的のためにはあまり手段を選ばないあたりは楓と同じなのですが、私情が思いっきり入っている分、嫌われ者になるかもと思いながら書いていました。

 実際、当時の人気投票では主人公である真斗に負けていましたからね。ただまあ予想通りでしたし、そういうキャラもいないと、と思って登場させていたので、その役目をしっかり果たしてくれたのかな、とは思います。

 以下、ネタバレを含みます。

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初代魔王の妹として

 作中で魔王なる仰々しい名前の存在が何人か出てきますが、要はとある人物と契約していた人間のことを指す名称で、大いに君臨していたかどうかはまた別なんですね。そういう人物もいましたが。

 その妹、ということで、当時まだ曖昧であった契約の余波を受けて、兄に準じる力を持っていたのが黎でした。ちなみに本名はジュリィ・ミルセナルディス。観測者が二人も揃いに揃って契約していたのは、後にも先にも黎の兄であるレイギルア・ミルセナルディスという人物だけです。

 レイギルアの死後、そこにいた者達はバラバラになってしまいます。
 彼に最も愛された由羅は黎に妬まれて瀕死となり、それを救うために千年ドラゴンとして生まれ変わらせようとレイギルアは力を使い果たしてしまい、死亡。

 黎は千年間眠り続けることになった由羅を追うために、兄の契約者でもあり観測者でもある妹であるレネスティアに力をもらって、その後二千年以上を生きながらえることになります。

 そのレネスティアは、その後も気に入った人間を見つけては契約していくという自由奔放ぶり。
 それを見ていたもう一人の契約者であり観測者でもあるエクセリアは、目前で起こったある意味での悲劇を良しとせず、レネスティアが生み出していったものを認めず、それに対抗するものに力を貸し与えるようになっていきます。

 ともあれibisノベルの最初の物語に登場する人物でもあるのが、黎なわけですね。厄介なキャラクターに周囲を囲まれていたせいで、一生苦悩する羽目になったともいえます。

アトラ・ハシース

 黎が登場する物語は、今作の『終ノ刻印』以外には、未発表ではありますが、前述した初代魔王の時代の話である『対ノ双眸』及び、由羅が一度目の復活をする『千禍ノ哭』あたりに出てきます。

 作中でよく出てくる組織の名前に「アトラ・ハシース」というものがありますが、実はそれを作ったのが黎であり、時代的には『対の双眸』と『千禍の哭』の間にあたます。ちょうどアルティージェの父親が主人公をはっている時代の頃です。

 そのアトラ・ハシースの創設に関わる人物も、その頃にちょこちょこ出てくるのですが、残念ながら『終ノ刻印』や『銀ノ鏡界』では名前は出てきても、登場はしません。なので黎は後世、かなり孤独なのですが、いずれ彼らが登場する機会もあるかもしれません。

お姉さんキャラ

 由羅との確執がある程度解消した『銀ノ鏡界』では、何でも頼れるお姉さんキャラとしての立ち位置が確立します。
 と、同時にヒロインから完全に外れてしまい、主人公に恋愛感情のようなものを抱くことも無くなってしまうわけですね。

 本人は経験上、頼れる姉としての振る舞いをしてしまいがちですが、妹として兄に甘えたかった、というのが本音だったわけで、作中でもっともそういう立ち位置に近い人物に惹かれていくことになります。もちろん、主人公の真斗ではありません。

 結果は『銀ノ鏡界』の最終巻に書かれています。とはいえまだ発行していないので恐縮ではあるのですが……。