桐生真斗

桐生真斗 『終ノ刻印』より、桐生真斗の紹介です。

 ibisノベルの主人公の一人です。公開されているものの中では、『悠遠ノ絲』の和泉裄也、『黎明ノ王』のフォルセスカに続く三人目ということになりますね。

 『終ノ刻印』は時系列的には『悠遠ノ絲』の後の話になります。前作では世界観の先っちょに触れてもらう程度の内容でしたが、『終ノ刻印』からはより登場人物も増え、より世界観に深みが増してきたこともあって、それらに触れやすい――しかし肝心なところはまだ知らないといった、そんな主人公にしました。

 以下、ネタバレ要素を含みます。

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九曜の咒法士、でも落ちこぼれ

 真斗の生い立ちは、裄也と同じく九曜の一門(九曜八家)の一つという点では同じです。裄也は早々に九曜から去ってしまったイレギュラーでしたが、真斗の場合は真面目に自分の家の義務を果たしていた、という点で違いがあります。いわゆる九曜一門の義務課程のようなものを、彼なりにこなしてきた、というわけです。

 ただし落ちこぼれであったという、難点がありました。作中で出てくる咒法というものを扱うには、ある程度才能のようなものが必要になってくるわけで、九曜の血は特にそういった才能に恵まれています。九曜楓や九曜茜がその典型ですね。

 その一門、というわけで、九曜八家を構成する一門の人間も才能に恵まれていることが多く、そのため幼い頃から修行と称して九曜家に放り込まれます。

 ところが真斗の桐生家は、ずいぶん九曜の血が薄まっていることもあって、真斗もその兄も、残念ながら才能に恵まれることはありませんでした。
 彼の同世代の他の八家の者は、かなり才能に恵まれている者もいたので、それらに比べると落ちこぼれと言わざるを得ないような力しかなかったわけです。

 そんなわけもあって、物語開始早々、超危険人物であった由羅に遭遇して、命を落としてしまったわけです。

主人公として

 裄也の場合、書いている私の中では色々と制約の多い主人公でしたが、真斗の場合は極力そういうのを削ぎ落としたつもりです。つまり書きたいように書かせてもらった、ということですね。

 そういうわけもあって、建前だけで行動することなく、本音もけっこう口にします。この点だけでも非常に書きやすかったです。
 おかげで主人公としては思わぬ人気の出たキャラとなりました。続編の『銀ノ鏡界』は群像劇っぽい内容になってはいますが、一応の主人公は真斗ということで、続投と相成りました。

ヒロインへの影響

 ヒロインの一人であるとあるキャラに対しては、良くも悪くも影響を与えることになります。真斗が基本的には建前を重視しつつも、同時に本音も語り、自身もそれを実行することで、それを目の当たりにしたことで強く影響を受けてしまうんですね。これは『銀ノ鏡界』以降の話になってしまうんでアレですが。

 他にも元々ヒロインではなかったのに、いつの間にかヒロインになってしまったキャラもいたりしますが、これも真斗の影響でしょう。作者の能力不足でキャラに暴走された、ともいえますが。そもその『終ノ刻印』そのものがいつの間にか、その当該者のための物語になってしまいましたからねえ……。