用語大辞典 あ行

あ行

アージェント(用語)

 アトラ・ハシースにおける階級の一つ。第二位。近代になって用いられた階級であり、現代における在位者は、茜、シャレム、ウルクスなど。

アーレスト家(用語)

 アトラ・ハシースの名家。千年前から続く家柄で、現代ではジュリオン市国の名門として、その当主は伯爵の地位にある。
 千年前にフロイス・アーレストがアトラ・ハシースを統括するパルティーン大司教位に就いたこと、またその孫であるカイン・アーレストが最後の魔王の討伐に功があったことなどが、現在への栄達へのきっかけとなる。

アクティオン(用語)

 天魔三界の剣、とも。魔王シュレストが作り出した十魔の武器の中でも最高傑作の一つで、主にシュレストが自分専用に用いた。後に遺産として受け継いだアルティージェより真斗に譲渡されたが、常時はエクセリア自身が鞘としてその刀身を預かっている。

浅賀康介(人名)

 裄也の高校時代のクラスメイト。

アジェステリア公国(用語)

 十世紀までに、アジェステリア公爵領として成立していたが、魔王フォルセスカが滅び、かの異端が一掃された十一世紀に入り、アトラ・ハシースの力を背景にして周辺所領をまとめ、アジェステリア大公国を自称する。神聖ローマ帝国の構成国の一つとなるが、十九世紀になると神聖ローマ帝国は崩壊し、ライン同盟に参加。ライプツィヒの戦い以後、ドイツ連邦に参加することなく独立を維持することになる。
 しかしこのナポレオン戦争の混乱の中で、辺境貴族であったトルメスト城主ヨハン・ラインヴァルドに反旗を翻され、その後トルメスト大公国の独立を認めてしまう。また同時期に、アトラ・ハシースの本拠ともいうべき宗教都市であるジュリオンにも見切りをつけられ、独立される。劣勢であったアジェステリアは、自らの地位を公国に落とすことでトルメストとの和睦を成立させ、存続を図った。
 立憲君主制ではあるものの、国家元首であるアジェステリア公、また公家には大きな権力があり、社会はほぼ貴族制である。

アジェステリア連邦(用語)

 アジェステリア公国を宗主国として、トルメスト、ジュリオンの三ヶ国によって構成された共同体。欧州の中で独立を維持するために中立を謳い、二度の世界大戦も隣国スイスと共に中立を貫いた。

アジュール(用語)

 アトラ・ハシースにおける階級の一つ。第三位。

アステアーノ・メディウス(人名)

 クリーンセスの第一夫人。ジェラールの母親。

アドウェントゥス(用語)

 王魔零落の剣。アルティージェが自分専用に手掛けた武器。スセシオンの中では最高峰で、普段はその刀身を腹心であるドゥークに預けている。

アトラ・ハシース(用語)

 世界中で最大規模を誇る対異端組織。
 ジュリィ・ミルセナルディスを中心とする、後に黒賢者と呼ばれる者達によって創設された。その目的はジュリィの私怨のためであったのだが、表向きはその頃溢れ出した異端に対抗するため、というもの。実際には彼女の私怨のために使われることは無かった。
 かつてほどの威勢は無いものの、現代において対異端組織の最高峰といえる。

アルゼス・ラルティーヌ(人名)

 アトラ・ハシースを統括する大司教。フォルセスカのかつての上司でもあり、親友。
 ラルティーヌ家は代々アトラ・ハシースの重職を担ってきた家柄であり、彼もそのことを誇りと考えていた。フォルセスカの出奔後、エクセリアによって赤子だったイリスを手渡され、アトラ・ハシースとして育てることに。
 その後一旦失脚し、僧会から身を引くが、ディアンや息子のジョーゼスを使い、密かに復権を目指す。ゼルディア・クリセニア戦役の最中、ステリア・アーレストによるパルティーンの乱では暗躍し、バルッセオ大司教の失脚を狙う。しかしダルテア・フェルスタッテンに狙われたイリスを庇い、それが致命傷となった。最後に息子ジョーゼスに後事を託し、死亡する。

アルティージェ・ディーネスカ(人名)

 シュレストの第八子。末娘にあたる。継承戦争を経て、ディーネスカの二世となった。
 千年ドラゴンの生命力を備え、エルオードとの戦いにて得たネレアの知識を有し、またシュレストより受け継いだ王としてのカリスマをも持ち合わせている。自他ともに“最強”を認める存在。しかし彼女の“最強”である最大の理由は、一途な努力の積み重ねと、そして運の力に他ならない。

アルレシアル(用語)

 レネスティアの涙が結晶化したもの。その核である氷涙の剣や、そこから発生した氷を用いた永久凍土の咒法である極光戒なども、そう呼ばれる。封印されていたイリスを千年安置していた氷柩も、アルレシアルより削り出されたもの。レネスティアが涙を流した経緯から、由羅にとっては猛毒に等しい。

アレイウス・ウォルストーン(人名)

 ナルヴァリア男爵。クリーンセスの末裔。プラキアの甥に当たる。
 アトラ・ハシース寄りの諸侯としてありながら、一方でフォルセスカの異端を支えた。レダに恋するが、それが果たされることは無かった。

アンネ・レアトリクス(人名)

 アトラ・ハシースの第五位で、組織を創設した黒賢者の一人。五人の中では最も若く、直情的な性格でよく他の四人に諭されることが多かった。しかしこの性格を利用され、サルバドールによってエクセリアに生贄として捧げられてしまう。この結果、エクセリアを信奉していたエルオードの露払いとなって、アルティージェに対して無謀な戦いを挑まされ、滅ぼされることになる。ジークリンデの祖母。

イクティオン(用語)

 シュレストが考案した“硝魔八凶の黒炎”という禁咒、またその効果を付加して造られた武器のことで、その両方を指す。ハルバートの形状をしており、メルティアーナ愛用の武器である。メルティアーナからラウンデンバーク家へと受け伝えられ、現在では凛の手にある。プラキアが考案した“ゼル・ゼデスの魔炎”の原型。

イグナーン・ロイド(人名)

 ウォルストーン家に仕えていたが、プラキアがクリセニアにて割拠することを企てた際より同行し、その一生を捧げた。彼女がラウンデンバーク家へと嫁いだことにより、その後はラウンデンバーク家の重臣となる。軍略に長け、剣技にも優れていた。
 第二次ゼル・ゼデス異端裁定において、死神を相手に命を落とす。

和泉家(用語)

 九曜八家の一つであり、元は九曜内において重職を担う地位にあった。しかし裄也の父親の代ではすでに没落しており、その血統も九曜のものから薄れたせいもあって、咒に対する才はすでに失われていた。裄也も小学校の頃に九曜にて修行することを放棄し、その後ほぼ完全に九曜との縁は切れている。

和泉裄也(人名)

 『悠遠ノ絲』の主人公。死神を封印する千絲ノ封の一糸を、己が魂として担う。そのため封印の対象であるイリスとは繋がりが深く、彼女がその人生において最も好意を寄せている人物でもある。 

異端(用語)

 魔王の血をひく魔族を始め、妖魔、妖精、妖怪といったものから、またそういったものを信仰する人間などを含めた総称。日本においては、特に鬼の末裔を指すことが多い。

異端裁定(用語)

 アトラ・ハシースの異端に対する直接行動。一般的にそれは軍事行動で、対象の殲滅が目的となる。フォルセスカの時代に頻繁に行われ、その後異端が滅亡したことで、実行されることは無くなった。

伊原涼一(人名)

 京都府警生活安全課13係の刑事で、長谷警部の部下。九曜出身の咒法士で、東堂肇の同期でもある。

イリス・ゼフィリアード(人名)

 フォルセスカとレネスティアを親に持ち、死神として生を受ける。アトラ・ハシースによって異端の天敵として育てられた。誕生より百年後、異端の滅亡をもって千絲ノ封によって封印された。レネスティアが意識し、認識した“死”にエクセリアも共感し、その末に生まれた存在のために、彼女の存在力は根源二祖たる二人のそれを上回る。しかし受肉した際に父親であるフォルセスカの要素も多分に影響したため、本来持つべき存在力は“成長”という過程を必要とした。一方でその要素のために、母親やエクセリアよりも遥かに感情に対して理解が早く、観測者としての本能に対する抵抗力も強い。
 封印後千年が経過して目覚め、フォルセスカの魂を持つ裄也と出会うことになる。 

インシグネ・ゲネリス・ディーネスカ(用語)

 ディーネスカの紋章。支配の刻印。かつてシュレストがこれを用いてレネスティアを支配し、その力を余すことなく引き出したために、歴代最強と謳われる王となる。継承戦争前に紋章は長子ナウゼルに引き継がれていたこともあって、そのナウゼルの妄執と共に世代を超えて受け継がれ、現代では九曜へと伝わっていた。その過程で九曜の呪いの刻印と混ざり、形状がしてしまう。そのため効力は半減し、変わりに苦痛の効果が相乗されていた。真斗の元に継承された後、刻印は由羅、アルティージェと刻まれることになり、現在はエクセリアの希望によって彼女に刻み込まれている。またその形状は、アルティージェによって正しいものに直された。

ヴァーグラフ(魔獣)

 クリーンセスを失い、哀しみに暮れていたレネスティアを見かねたアルティージェが、慰めものとして送った狼の子。レネスティアの認識を強く受けたせいで、魔獣と呼ばれるほどに成長してしまう。
 レネスティア、フォルセスカ以外では唯一レダに懐き、行動を共にしている。第二次ゼル・ゼデス異端裁定において、イリスによって殺される。イリスの幼少時、ごく短期間共に過ごしたことがあり、イリスはもちろん記憶にはないが、ヴァーグラフは最期の瞬間までそれを覚えていた。

ヴァート(用語)

 アトラ・ハシースにおける階級の一つ。第六位。

ヴィリー・ベーレンス(人名)

 エルオードがシャラ=イスタに潜入していた際に使用していた偽名。

上田(人名)

  →エルオード・ディエフ。

ウォルストーン家(用語)

 リスト・ロイディアンによって始まった異端の名家。彼は父親の姓であるロイディアンを捨て、母方の姓であるウォルストーンを名乗った。父クリーンセスが死亡した後、フランク王国の臣となり、たびたびアジェステリア公爵家と戦い戦果をあげた。これを認められ、カルディアナの地に所領を認められることになる。カルディアナは後に分割され、ナルヴァリア男爵家としてウォルストーン家は続いていくことになる。

氏崎浩二(人名)

 私立録洋台高校2-3組の担任教諭。

ウルクス・アーレスト(人名)

 シャレムの兄で、当時としては最年少でマスターになった天才。

エクセリア・ミルセナルディス(人名)

 根源二祖の片割れ。レネスティアの姉に当たる。
 レネスティアと常に対立する人生を歩んできたが、現代に至り、真斗を認識してしまったことで全てが変化していくこととなった。一度死んだ真斗の存在は彼女の認識力によって支配されているが、同時に支配の刻印であるディーネスカの紋章によって、真斗に支配されてもいる。

エザリア・ラインヴァルド(人名)

 トルメスト大公国の大公姫。ラインヴァルド家に栄華をもたらした初代大公ヨハン・ラインヴァルドとその主であるアルティージェに憧れており、自分もまたアルティージェに会いたいと考えていた。そんな時に現れた桐生契斗に目をつけ、秘伝の継承咒を教えてしまう。その後契斗のとりなしもあって、アルティージェの侍女になることを許された。公務そっちのけで、アルティージェの屋敷に入り浸っている。

エディン・ロイド(人名)

 プラキアに仕える侍女。イグナーンの孫であり、レダの同僚でもある。

エドランド・ラインヴァルド(人名)

 継承戦争中期、ラスティラージュとの戦いの後に新たにアルティージェの臣として見出された人物。コーカカーサスの戦いでは辛くも逃れることができ、その後のアルティージェにとってなくてはならない将となる。
 戦争終結後には宰相として、彼女の治世を担った。彼の子孫はアルティージェによって代々恩恵を与えられることが約束され、それは現代に至っても守られている。

襟宮鏡佳(人名)

 襟宮家の長女。かつて日本にやってきたばかりの由羅と出会い、その制服を気に入られて、与えた人物。当時の生徒会長でもある。家を失った夕貴を保護した張本人。ベファーリアが夕貴と契約した際、鏡佳自身が自分の存在を使うように奨めた。すでに録洋台高校を卒業している身であったが、ベファーリアの“捏造”によって、学校全体が彼女の存在を受け入れている。

襟宮家(用語)

 九曜一門の一つ。黄利家の分家。録洋台高校の経営といった九曜にとっての表の面で、資金調達を主に活動している。本家である黄利や、同じ分家である紫堂が九曜に滅ぼされた経緯もあって、九曜のことを快く思っていない。

エルオード・ディエフ(人名)

 最初のエクセリアとのネレアの契約者。
 エクセリアによってアルティージェへの刺客となるが、敗北。その後アルティージェへと仕えるが、エクセリアのことを忘れることはなかった。アルティージェに暇を出された後はジュリィに仕えるようになり、様々に暗躍するようになる。
 『終ノ刻印』において、エクセリアを巡って真斗とぶつかり合う。

逢魔十戒の剣(用語)

  →オルディオン。

王魔零落の剣(用語)

  →アドウェントゥス。

黄利 潔(人名)

  →坂貫幸造。

黄利家(用語)

 九曜八家の一つ。九曜にとっての影を扱う部分で、主に暗殺などの仕事をこなしてきていた。黄利は忠実にその任をこなしてきたが、二人の双子の娘が生まれたことで、一変することになる。
 双子である菫と巴に恋した九曜司によって、彼女らの家族はほぼ皆殺しに遭う。その後、二人きりになった双子を保護する名目で手に入れようとしたが、彼の元に残ったのは姉の菫だけで、妹の巴は紫堂の当主の下に保護されることになる。この事件により黄利家は滅亡し、九曜から姿を消すことになった。

黄利 菫(人名)

  →九曜菫。

黄利 巴(人名)

  →紫堂巴。

オーア(用語)

 アトラ・ハシースにおける階級の一つ。第一位。

鬼桔梗(用語)

 法月家に伝わる妖刀。鬼梗塚に秘匿されてきたが、現代に至って封印が解除され、以後鬼燈聖の武器となる。 

オノフリオ・ケルン(人名)

 アトラ・ハシースの司教。ブラフト・ダーン異端裁定後、その城主代理を務めていた。ベルヌークの部下でもある。クリセニア蜂起の際、ブラフト・ダーンはブライゼンによって奇襲を受け、彼もその際に死亡した。

オルディオン(用語)

 シュレスト作の十魔の武器の一つ。攻撃力に非常に特化した剛剣で、たとえ禁咒の類が相手であろうと切り裂くことのでき力を持つ。シュレストの長子、ナウゼルの愛剣。

オルディード・ディーネスカ(人名)

 シュレストの第二子にて次男。シャルティオーネとは同母。そのためシャルティオーネとは仲が良く、継承戦争も二人は連携して戦った。剛の者で、剣の腕のみならばナウゼルに次ぐほどだった。またその勢力も大きく、シャルティオーネと連携したことでナウゼルに比肩する勢力を築くことになる。
 彼は王を目指す野心は持たず、兄でありながらひたすらシャルティオーネのために尽くした。これはメルティアーナがアルティージェに尽くしたのに似ており、またその真っ直ぐな忠誠に対し、アルティージェも兄として尊敬した。しかし劣勢に立たされてもオルディードはアルティージェに降らず、壮絶な一騎打ちに末に捕えられた。その後シャルティオーネと共にアルティージェによって処刑される。彼はアルティージェの敬愛する兄の一人ではあったが、コーカカーサスの戦いでの恨みもあり、処刑にあたって彼女はどこまでも残酷に臨んだという。
 八人の兄弟姉妹の中では最も早くに妻を娶り、子を生している。エルオードは彼の孫に当たる。


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