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序章 漆黒の帳

 陽があって、光が意味を為さぬがごとく。
 密林の中、全き闇が凝る地に、その城はあった。
 いつからかゼル・ゼデスという名で呼ばれていたその城は、この二百年、沈黙を保ち続けている。
 眠りについていた、とも言えるかもしれない。
 しかし眠り、である以上、いずれは目覚めるもの。
 落ちて久しい帷――いつ明けるとも知れぬ夜の中、しかしその時は確実に迫ってきていたのかもしれない。

「……そう。では構わないのね?」
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