「終ノ刻印」カテゴリーアーカイブ

第2話 狂気の少女

 俺が大学に入ってから約八ヶ月。
 これまでに受けた仕事は、三件。どれもがまともな内容では無かった。
 世の中には色々と不思議なことがあるわけだが、こと日本において魑魅魍魎、妖怪変化というものは、そういった不思議の一つである。

 実在するかどうかはともかく、その存在は誰もが知識として知っている。しかし実際にそれらを目撃した者となると少なく、例えそう公言したところで大半が冗談として扱われてしまう。
 そのせいか、俺のような存在も、冗談として捉えられがちであった。

 調伏師・降伏師――西洋ではエクソシストなどと呼ばれる存在。
 呼び方は様々であるが、そういった一般とは一線を画す人材とそれらを擁す組織が世界にはいくつか存在し、またこの国にもあった。
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第1話 気の乗らない依頼

        /真斗

 教室内のエアコンが鳴りを潜めてから、約二ヶ月以上が経過して。
 窓の外でも眺めてみると、だいぶ秋も深まってきたことが分かる。
 そんな風景をぼんやりと眺めていると、机の上の携帯電話が慌しく震え出した。まったく誰だ授業中にと内心毒づきながら、俺は気だるげにそれに手を伸ばす。
 隣の席では友人が机に突っ伏して寝ている姿が目に入ったが、いつものことだ。

 大学の講義というのは随分と楽なもので、多少携帯電話が鳴ったからといって講師から名指しで説教をくらうことは無い。もっともそれも講師によってはだが、大体が事なきを得る。
 とはいえマナーモードにせず、迂闊にも着信音でも鳴らそうものなら、例え怒られずとも周りから白い目で見られてしまうことになるが、まあ俺はそんな油断はしないので安心だ。
 もっともよその大学じゃあどうだか知らないが。……そんなことを思いながら俺は入ってきたメールを確認した。
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序章 ある夜の邂逅

        /由羅

 ――今夜二人目の獲物。
 彼は、こちらが探すまでもなく現れてくれて。
 私を愉しませてくれた。

「それにお楽しみは、あなたでいいし」

 そんな台詞が気に障ったのか、彼は激昂して銃の引き金を引く。
 私も目が覚めてからしばらくして、そういう武器があることを知った。鉛の銃弾を撃ち出して、まず人間には避けられない速度でもって相手を襲い、殺すための道具。
 これがなかなか厄介なもので、私の反応速度をもってしても一旦撃ち出された弾丸を避けることは難しく、当たればそれなりの手傷を負ってしまう。
 だが所詮は人間の作るものだ。相手の発射までの仕草を見ていれば、何となく避けることができるし、何よりどこに当たろうが痛いだけのこと。銃創程度、どうってことはなかった。
 もっとも顔に当てられることだけは嫌だったけど。
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