「終ノ刻印Ⅲ」カテゴリーアーカイブ

第47話 強襲

     /真斗

 深夜。
 公園にて、俺達は落ち合っていた。

「時間通りだな」
「当たり前だろう」

 身軽な俺とは対照的に、茜はそれなりの荷物を身につけている。
 帰る準備は万端らしい。
 ちなみに俺は、途中まで茜を送り、その後は囮になる予定だ。意味があるかどうかは知らないが、多少の気休めにはなる。

「……確認しておくが、由羅あたりにつけられていないだろうな?」
「大丈夫だろ」

 念には念をということで、一旦茜と大学で別れて以来、自分のマンションには戻っていない。

「それにあいつ、そんな器用なことができる性格じゃないしな。近くにいたら、絶対気づく」

 俺の言葉に、茜は苦笑する。

「確かにな」
「俺よりお前の方はどーなんだよ? 大丈夫なのか?」
「手落ちはない」

 と言い切るが、すでに何度かイリスに掴まっている前科があるのだ。
 いかに茜とはいえ、相手が相手だし、完全に信用するわけにもいかない。

「どうだ?」

 俺は背後へと視線を送って、闇に声をかける。
 返事はあった。
続きを読む 第47話 強襲

第46話 国外脱出計画

     /真斗

「だからね。明日あたりがあぶないと思うの」
「うんうん。私もそう思う」

 昼下がり。
 柴城興信所内のテーブルに座り、何やら熱心に話す少女が二人。
 淡い金髪と濃い金髪で彩られた二人組の少女は、はっきりいって日本でお目にかかれるような人種の人間ではない。
 いや人間かどーかも怪しいけど。
 とにかく、あまり日本人っぽくないその二人は、さっきからずっとああやって、あれこれと作戦を練っているようだった。
 何というか、日常的な光景だったりする。
 俺は欠伸を交えつつ、それをぼんやりと眺めていた。
続きを読む 第46話 国外脱出計画