「終ノ刻印Ⅱ」カテゴリーアーカイブ

第45話 優雅な午後のひととき

     /アルティージェ

「ご苦労様だったわ」

 昼下がり。
 ようやく訪れてくれたその相手は、まずそう労ってくれた。

「あれで良かったの?」

 悪いとは言わせない、とそんな感情をちょっと込めて、聞いてみる。
 わたしの前に座る銀髪の少女は、微笑んで頷いてくれた。

「そう?」
「ええ……。姉さんも、これで少しは変われると思うわ」

 そう言って、レネスティアはわたしの出した紅茶に口をつけた。
続きを読む 第45話 優雅な午後のひととき

第44話 最強の王②

「く――――あ……」

 全てが収まった時、全身を打つ苦痛に俺は顔をしかめていた。
 もうどこが痛いのかすら分からないくらいに、激痛が全身を巡っている。
 俺に限らず黎も由羅も、吹き飛ばされている。

「…………!?」

 ハッとなった。
 エクセリア――――あいつは!?
続きを読む 第44話 最強の王②

第43話 最強の王①

     /真斗

 暗闇に、火花が散る。
 最大限の気迫を込めて、斬撃を打ち込んでいく。
 蒼い軌跡を描いて打ち込まれるそれを、一振りたりともかわすことなく、アルティージェはその槍剣で受けていた。
 どれもが重い一撃に違いないというのに、乱れることなくそれを受けていく。

「は――!!!」

 ギィンッ! ガギッ!

 剣戟が響く。
 今の俺の力は尋常ではない。
 エクセリアの借り物とはいえ、由羅にだって充分に対抗できる力がある。
 その一撃は、岩をも砕くだろう。
 しかし、その長い剣を砕くには至らない。
 ――剣の扱いに関して、その他の武器と共に、俺は幼い頃から修練を積んでいる。咒法の苦手な俺にとって、むしろ武器の扱いの方が得意分野だ。
 もっともその携帯性から、俺は銃やせいぜい短剣程度のものまでしか利用はしていなかった。
 しかし扱えないわけではない。
 呼吸に関しては、どれも同じだ。
続きを読む 第43話 最強の王①

第42話 エルオードVSブライゼン

 

結界内の校内は、それこそ何の音もしなかった。
 風すら、消えている。
 雨さえも、届かないようだった。

「来たわね」

 涼しげな声が、響く。
 校内にあるベンチに腰掛けていた人影が動き、こちらへと振り返った。
 間違い無く、あの時俺とエクセリアの前に現れた少女だ。
 そして値踏みするように、こちらを眺めやる。
続きを読む 第42話 エルオードVSブライゼン