カテゴリー:終ノ刻印Ⅱ

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  • 2017.07.28

第45話 優雅な午後のひととき

     /アルティージェ 「ご苦労様だったわ」  昼下がり。  ようやく訪れてくれたその相手は、まずそう労ってくれた。 「あれで良かったの?」  悪いとは言わせない、とそんな感情をちょっと込めて、聞いてみる。  わたしの前に座る銀髪の少女は、微笑んで頷いてくれた。 「そう?」 「ええ……。姉さんも、これで少しは変われると思うわ」  そう言って、レネスティアはわたしの出した紅茶に口をつけた。

  • 2017.07.26

第44話 最強の王②

「く――――あ……」  全てが収まった時、全身を打つ苦痛に俺は顔をしかめていた。  もうどこが痛いのかすら分からないくらいに、激痛が全身を巡っている。  俺に限らず黎も由羅も、吹き飛ばされている。 「…………!?」  ハッとなった。  エクセリア――――あいつは!?

  • 2017.07.24

第43話 最強の王①

     /真斗  暗闇に、火花が散る。  最大限の気迫を込めて、斬撃を打ち込んでいく。  蒼い軌跡を描いて打ち込まれるそれを、一振りたりともかわすことなく、アルティージェはその槍剣で受けていた。  どれもが重い一撃に違いないというのに、乱れることなくそれを受けていく。 「は――!!!」  ギィンッ! ガギッ!  剣戟が響く。  今の俺の力は尋常ではない。  エクセリアの借り物とはいえ、由羅にだっ […]

  • 2017.07.22

第42話 エルオードVSブライゼン

 結界内の校内は、それこそ何の音もしなかった。  風すら、消えている。  雨さえも、届かないようだった。 「来たわね」  涼しげな声が、響く。  校内にあるベンチに腰掛けていた人影が動き、こちらへと振り返った。  間違い無く、あの時俺とエクセリアの前に現れた少女だ。  そして値踏みするように、こちらを眺めやる。

  • 2017.07.20

第41話 門番

「お。終わったか」  戻ると、何やら待ってましたとばかりに、所長がこっちを見た。  消えてしまっているかと思ったが、エクセリアもしっかり座って待っている。 「ああ」 「そうか。いや実は相談なんだけどな。このお嬢さんも新たに所員に加えてはどうかと思ってなあ」 「はあ?」

  • 2017.07.19

第40話 ディーネスカの紋章

 隣の部屋に移って。  少し疲れたように、黎は長椅子に腰掛ける。 「お前、本当に大丈夫なのか?」 「だるいけれど、動けないわけじゃないわ」  少なくとも本調子ってわけではないらしい。当然だろうけど。 「あなたには、色々謝っておきたくて」 「今更かい」 「そうね……今更ね」 「別に責めてるわけじゃねえけどな」

  • 2017.07.18

第39話 及ばないとしても

     /真斗 「目が覚めたのか」  枕元で、声がする。  落ち着いた声は茜に似ていたが、もっと静かな声。 「――時間は!?」  ベッドから身を起こすなり、俺は時計を捜した。  いったいどれほど眠ってしまったのかと思い、慌てる。 「昼を過ぎたところだ」  俺が時計を見やると同時に、答えがあった。  時計の針は、一時を過ぎたところだ。  どうやらずいぶん眠ってしまっていたらしい。

  • 2017.07.17

第38話 真の刻印

     /茜  二人を追う。  追うのは見知らぬ少女と、由羅。  信じがたいことではあったが、あれは明らかに由羅だった。  あの封印をどうやって解いたのかは分からない。あんな代物、イリスでもなければどうにもならないと思っていたのに。  どうやったのかは分からない。  しかし確実に分かるのは、あの二人に黎がやられたということだ。  放っておくわけにはいかなかった。

  • 2017.07.16

第37話 エクセリアの答え

     /黎  夜になって。  わたしはそっと、その場を訪れていた。  隣の部屋。  この事務所を徐々に覆っていく、冷気の源。  その結界された空間は、すでに凍っていた。  中心に、氷漬けにされた妹の姿がある。  やはり、その身に剣を受けて。  その姿はこれまで幾度と無く見てきた。  何も変わってはいない。  しかし、変わったものもある。  それはわたしの心境――この子を見る、わたしの気持ちが、 […]

  • 2017.07.15

第36話 一縷の望み

     /真斗 「初めて見たな。そういうの」  部屋に入って。  エクセリアを寝かしつけるジュリィの姿を、俺はまじまじと見てしまっていた。  歌っているのが誰かなど分かっていたが、それでもこうやって改めて確認すると、どうにも多少は驚いてしまう。  そして同時に、気持ち良さそうに目を閉じているエクセリアに対しても。  何もかも、意外だった。 「似合わないかしら」  苦笑気味に、黎は言う。 「そうで […]

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