「終ノ刻印Ⅰ」カテゴリーアーカイブ

第18話 追撃と迎撃

        /真斗

「早いな」

 深夜になり、俺は二人との待ち合わせ場所である事務所へと来ていた。
 来てみると、最遠寺はもう来ていて俺を待っていたというわけだ。

「ここでの仕事は初めてだというのに、わたしが遅れるわけにはいかないわ」
「充分間に合ってるって」

 俺は時計を見て言う。
 時間は二時半。
 実際の待ち合わせの時刻は三時だ。
 茜はまだ来ていない。
 と、最遠寺が口を開いた。
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第17話 流れは変わる

 とりあえず由羅に連絡をつけなければならない。
 まずはそれが第一と考えた俺は、茜をあいつが送って欲しいといった場所に連れていってやった後、またあいつのマンションへと戻った。
 面倒臭かったが仕方無いので、一軒一軒尋ねて回ることにした。運が良ければあっさりとぶち当たるかもしれないし。
 ただワンルームマンションということもあって、平日のこの時間に在宅している者はほとんどおらず、出てきた住人の中に由羅の姿は無かった。
 完全な空振りである。

「くそ……あいつ本当にあそこに住んでるんだろーな……」
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第16話 協力を求めて

「……何なんだ?」

 席を移動した後、茜はさすがに戸惑ったように疑問をぶつけてくる。

「こいつ、覚えてるか?」

 俺は単刀直入にいくことにした。
 テーブルの上に、指を使ってあの刻印咒を描いていく。
 それを見つめていた茜が、描き終わった俺へと怪訝な表情を送ってきた。

「刻印咒……だな。これがどうかしたのか?」
「お前、俺にこれを教えただろう?」
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第15話 九曜茜

「そうだ」

 ぶす、として頷く少女。
 やっぱりそうか……!
 どうやら俺がすぐに思い出さなかったことが、お気に召さなかったらしい。
 だけどこいつと会わなくなってから、確か六年か七年はたっているはずだ。見た目だってあれからずいぶん成長している。しかもこいつの実家はここじゃないはずだし……?

「お前――何やってるんだ? ここで」

 俺は素直に疑問を口にした。

「それを聞きたいのは私の方だ。お前こそ、こんな所で何をやってるんだ?」
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第14話 あいつの名は

        /真斗

 朝。
 寝起きはまあ、いつものごとく、あまりよろしくない。
 今日は朝からの授業は無いので、目覚ましもかけずにのんびりとした朝だ。

「ふああ……」

 欠伸をして、重い瞼を開き、寝返りをうつ。

「…………」

 視界に誰かが映ったよーな気がした。
 夢だろう、うん。
 俺はそう納得し、布団をかぶってもう一度寝返りをうつ。

「……ちょっと!」

 声がした。
 もちろん無視。

「なによう、なんなのよう! 起きたのにどうして私の顔見て寝ちゃうわけ!?」

 そこにいた奴は大変ご立腹のようで、耳元できんきん騒いでくれる。
 ……非常に、うるさい。
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