カテゴリー:終ノ刻印Ⅰ

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  • 2017.07.02

第23話 約束、もしくは誓約、あるいは呪いか

        /由羅 「…………っ」  やられた傷が痛む。  あの刻印ほどの痛みは無いとはいえ、戦っている最中にこれだけの傷の痛みは堪えてしまう。  かなりの時間、ジュリィと戦って。  相手もさすがに無傷とはいかなかったけど、私の方はもっと深刻だった。  この身体はほとんどの干渉に対して不死だけど、無敵というわけではないから。傷つけられもするし、痛みもする。  何度か狙撃を受けて、身体はかなりの […]

  • 2017.07.01

第22話 愚かだとしても

        /真斗  夜になって。  昼間には全く手がかりすら得られなかったというのに、この時間になってあっさりと見つけてしまった。  まあ……あれだけ派手に動いていれば、嫌でも気づいてしまうか。  二人の戦いはすでに始まっていたが、住宅街を移動しながらで、しかも静かだったせいもあって、全くといっていいほど騒ぎにはなっていなかった。  けれど、気づくものなら気づいただろう。  俺のように。

  • 2017.06.30

第21話 一途で愚かなこと

        /由羅  都合良くといえば、確かにそうかもしれない。  私は目覚めてからこれまで、綺麗にそれ以前のことを忘却していた。  あれからどのくらいたったのかは分からなかったけど、それでもきっと長い長い眠りだったのだろう。  だって、私が覚えている世界と、今の世界とではずいぶんと違ってしまっているから。  そこで、苦笑。  これじゃあ同じだ。  前回目覚めた時も、今と同じ印象を世界に対して […]

  • 2017.06.29

第20話 少女と記憶と

        /真斗  今日はとうとう目覚ましが鳴らなくなった。  針はしっかりと動いているところを見ると、その程度にはまだ電池は残っているらしい。  まあおかげさまで、授業には完全に遅刻してしまいそうだが。 「まあ……いいか」  俺は布団の中で、ぼんやりとした頭のままつぶやいた。  授業、か。行った方がいいんだろうけど、今日はどうにも行く気になれない。  寝過ごしたばかりが原因でないことくらい […]

  • 2017.06.28

第19話 覚えのない真実

        /真斗  信じられないくらい、最遠寺は速かった。  咒法には、自分の身体能力を一時的に高めたり、また恒常的に高くしておくことのできるものがあるらしい。  しかしそんなものを自分にかけているような咒法士など、限られている。よほど咒法の知識に精通し、また戦いというものを日常に位置付けている連中。  俺は何とか後を追いながらも、どうやら最遠寺が誰かの後を追いかけているらしいことに気づく。 […]

  • 2017.06.27

第18話 追撃と迎撃

        /真斗 「早いな」  深夜になり、俺は二人との待ち合わせ場所である事務所へと来ていた。  来てみると、最遠寺はもう来ていて俺を待っていたというわけだ。 「ここでの仕事は初めてだというのに、わたしが遅れるわけにはいかないわ」 「充分間に合ってるって」  俺は時計を見て言う。  時間は二時半。  実際の待ち合わせの時刻は三時だ。  茜はまだ来ていない。  と、最遠寺が口を開いた。

  • 2017.06.26

第17話 流れは変わる

 とりあえず由羅に連絡をつけなければならない。  まずはそれが第一と考えた俺は、茜をあいつが送って欲しいといった場所に連れていってやった後、またあいつのマンションへと戻った。  面倒臭かったが仕方無いので、一軒一軒尋ねて回ることにした。運が良ければあっさりとぶち当たるかもしれないし。  ただワンルームマンションということもあって、平日のこの時間に在宅している者はほとんどおらず、出てきた住人の中に由 […]

  • 2017.06.25

第16話 協力を求めて

「……何なんだ?」  席を移動した後、茜はさすがに戸惑ったように疑問をぶつけてくる。 「こいつ、覚えてるか?」  俺は単刀直入にいくことにした。  テーブルの上に、指を使ってあの刻印咒を描いていく。  それを見つめていた茜が、描き終わった俺へと怪訝な表情を送ってきた。 「刻印咒……だな。これがどうかしたのか?」 「お前、俺にこれを教えただろう?」

  • 2017.06.25

第15話 九曜茜

「そうだ」  ぶす、として頷く少女。  やっぱりそうか……!  どうやら俺がすぐに思い出さなかったことが、お気に召さなかったらしい。  だけどこいつと会わなくなってから、確か六年か七年はたっているはずだ。見た目だってあれからずいぶん成長している。しかもこいつの実家はここじゃないはずだし……? 「お前――何やってるんだ? ここで」  俺は素直に疑問を口にした。 「それを聞きたいのは私の方だ。お前こそ […]

  • 2017.06.23

第14話 あいつの名は

        /真斗  朝。  寝起きはまあ、いつものごとく、あまりよろしくない。  今日は朝からの授業は無いので、目覚ましもかけずにのんびりとした朝だ。 「ふああ……」  欠伸をして、重い瞼を開き、寝返りをうつ。 「…………」  視界に誰かが映ったよーな気がした。  夢だろう、うん。  俺はそう納得し、布団をかぶってもう一度寝返りをうつ。 「……ちょっと!」  声がした。  もちろん無視。 「 […]

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