カテゴリー:終ノ刻印

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  • 2018.05.19

第62話 エルオードとエクセリア

     /エクセリア  なぜ、あんなことをしてしまったのか。  理由は簡単で、考える必要のないこと。  それでも、なぜ、と思わずにはおれない。  そうすることの弊害が、分かっていなかったはずもない。  死神に見られる危険まで冒し、しかも真斗を裏切るような行為ですらあった。  しかし、そんなことをあの一瞬に考えたわけではない。  気づいたら、彼を庇ってしまっていた……。 『――実をいうとですね。当 […]

  • 2018.05.12

第61話 激闘②

     /真斗 「…………!」  木々をなぎ倒して、俺は背後を振り返る。  所々肌が焦げて、嫌な匂いを発しながら煙が上がっている。  しかしそれは、柴城も同じことだ。  振り返り、俺と同じような惨状になりながら、笑う。 「――シャクティオンか。見様見真似にしては、大したものだな」 「くそ……。やっぱり押し負けたか」  それは認めざるを得ない。  俺が柴城に対して放ったのは、かつてアルティージェが […]

  • 2018.05.05

第60話 激闘①

     /茜  響き渡った剣戟に、私は顔を上げた。  こっちを心配そうに見つめる由羅と、イリス。  その向こうで真斗と柴城が戦っている。 「茜……」  表情を曇らす由羅の顔を見て、きっと今の自分はひどい顔をしているのだろうと思った。  ――本当に久しぶりに、泣いてしまった。  もう、涙はいい。 「すまない……」  由羅の手を借りて、立ち上がる。 「茜。真斗はわたしに貴女を守れって」 「……ああ」 […]

  • 2018.04.28

第59話 ディーネスカ継承戦争

     /エクセリア  夜も更け、事務所は静かになった。  時間を待って、真斗達が目的の場所へと向かったからだ。  私も真斗と共に行く。  今は私の力を望まれているし、私自身もいかな時であれ、その存在を見続けるために。  しかし、私はまだここに残っていた。  事務所には、エルオードが寝かされたまま、一人残っている。  その傍まで来て、私はその姿をしばらく見つめていた。  ……この者は、私にとって […]

  • 2018.04.21

第58話 罠だとしても

     /真斗  隣の部屋から聞こえる話し声で、俺は目を覚ました。  窓の外を見るが、すでに薄暗い。  夕方といったところか。  ちょっと寝すぎたな……。  欠伸をしながら起き上がり、背伸びをする。  ちゃんとした寝床では無かったとはいえ、これだけ寝ておけば多少は身体の疲れも取れているだろう。 「……エクセリア?」  名を呼べば、当たり前のように現れる。 「事務所、誰か来てるのか?」 「イリスが […]

  • 2018.04.14

第57話 少女達の想い

     /真斗  夜が明けて間も無い。  昨夜事務所に帰ってきてより、俺達はずっと今後のことについて話し合っていた。  そしていつの間にか、朝を迎えてしまっている。 「ふむ……そうか。わかった。連絡ありがとう」  電話をしていた所長は、そう言って受話器を置いた。  そして事務所内のみんなを、深刻な面持ちで見渡す。 「変わらず、だな」 「誰からだったんだ?」 「裄也くんだよ。あっちで調べてくれたこ […]

  • 2018.04.07

第56話 不吉な夜

     /other  どれほど交戦しただろうか。  すでにかなりの時間を戦ったが、未だ終わりはしない。  しかし楓は絶望せず、周囲を確認した。  すでに何人かは倒したが、周りには多くのアトラ・ハシースが囲んでいる。  一対一では負けるような相手ではなかったが、こう数が多いと、そう簡単にはいかない。  しかも孤立無援。  とはいえ、期待した展開でもあった。  こちらにアトラ・ハシースの刺客が訪れ […]

  • 2018.03.30

第55話 人生相談

「あー、食った食った……」  よく食べた。  美味しかったし満足満足。  あらかた食べ尽くし、他愛も無い雑談で盛り上がっていたところで、どこからか携帯の着信音が響いた。 「誰かなってるぞ?」 「おれだな」  東堂さんの言葉に答えて所長は立ち上がる。  所長は棚に置いてあった携帯を掴むと、何事か話しながら奥へと行ってしまう。 「それにしてもなあ……」  俺はエクセリアを見ながらつぶやいた。 「エクセ […]

  • 2018.03.23

第54話 とある晩餐

     /由羅 「んもうっ」  どうしようもないので、ぷりぷり怒ってみせる。  あー、もう!  茜のばかばかっ。 「何をそんなに怒ってるのよ?」  隣に座った凛が、呆れたように私を見る。  その呆れ顔にむっとなる私。 「だから! 茜ったら私が寝ている間に、真斗とどっかに行っちゃったのよ!」 「ふうん……。起こしてくれなかったから怒ってるわけ?」 「そう!」  お昼になって目が覚めてみれば、事務所 […]

  • 2018.03.17

第53話 見栄だとしても

     /茜  事務所ほどでは無いけど、ここに来る機会も多かった。  そういうわけもあって、私はここの部屋の合鍵を持っていたりする。  ……いつだったか由羅が壊したドアを取り替える際に、私がその費用を立て替えてやったことがあって、そのどさくさで合鍵を持っていたりするんだけど。  真斗のマンションへと入った私は、遠慮無くドアを開いた。  小さなその部屋は、まだ薄暗い。  靴があって電気がついていな […]

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