カテゴリー:終ノ刻印

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  • 2018.07.07

終章 最遠寺要

     /茜 「――これで、全て片がついたわ」  冬空の下。  姉さまが私の所を訪れていた。  訪れたというよりは、朝一で目的の場所に向かっていた私の前に現れたというか。 「……その、ありがとう」  とりあえず、そう言わざるを得ない。  姉さまがやってきたのは、事後処理が終わったと告げるためだった。  一年前より、私はアトラ・ハシースを出た。  出たといっても、簡単にはいかない。  私一人では如 […]

  • 2018.06.30

第68話 決着

     /由羅  ようやくその場についた時、そこには三人の姿があった。 「ジュリィ……! 茜は……!?」  ジュリィに介抱されている茜へと、思わず駆け寄る。 「ちょっと……わたしには声もかけてくれないの?」  不満そうにアルティージェに言われ、私はあたふたとなった。 「でも茜……え、うそ、なんで? アルティージェ――なんでここにいるの……?」  確かアルティージェはエルオードにやられて、それで… […]

  • 2018.06.23

第67話 誰と最初に出会うべきであったのか

     /真斗 「これで最後だっ!」  最後の一体を切り伏せたところで、山頂が見えた。  もう邪魔する者はいない。  俺は息を吸って吐くと、エクセリアと共に先へと進む。 「真斗」 「ん?」 「この先はきっと……私自身の戦いになる。相対するのは、私自身ゆえ」  エクセリアの言いたいことは、分かる。  そのつもりだった。 「ああ」  頷く。  待っているのはエルオード。  しかしエルオードの行動は、 […]

  • 2018.06.16

第66話 殴り合いだとしても

「―――――」  泪が、何事か唱える。  その瞬間に間合いを詰める楓だったが、詰め切る前にそれは完成していた。  泪が両手を伸ばし、その周囲に現れる無数の赤球。 「く!」  まずいと判断したのか、楓は前進を止めて来た方向へと跳び退く。  その瞬間、それらが解き放たれた。 「うそ……!?」  それこそ際限無く、それは打ち放たれる。  無数の赤球一つ一つの威力は相当なもので、直撃すればただではすまない […]

  • 2018.06.09

第65話 怨念と妄執

     /アルティージェ 「っ……」  突然の痛みに、目が覚めた。  痛みは一瞬で、もはやその余韻すら残っていない。  いったい何だったのか、すぐに知れた。 「……ふうん?」  わたしの手の甲にあった刻印が、きれいさっぱり消えてしまっている。  真斗が、誰かに変えたのだ。 「いい度胸ね……。このわたしが膝まで折って、アクティオンもあげたっていうのに」  それは本音だったけど、まあ予想のうちだ。 […]

  • 2018.06.02

第64話 二度と迷わぬために

     /other 「――いえいえ。そんなことはありませんよ」  闇の中、彼は誰かと話していた。  彼のよく知る人物と、非常に似た相手。  そういえば一昨日、彼女が戯れに姿を変えたのを間近で見ることができたが、やはりよく似ていると思った。  とはいえ、内面は驚くほど違っている。  しかし更によく相手を知れば、やはり同じなのだとも思わせられる。  単に、到達していないだけだと。 「お互い様です。 […]

  • 2018.05.26

第63話 シュレストの未練

 事務所の方に行った途端、黎が心配した通りのことになった。  俺も覚悟しておいて良かったと言うべきか。 「――――答えて。あの女は……どこに行ったの……?」 「ぐ……」  顔を見せた瞬間に、イリスに襲われてしまった。  胸倉を掴まれて、壁に叩きつけられる。  気を失っていた間は自重してくれていたのかもしれないが、俺の顔を見て感情が爆発してしまったというところか。 「答えて……!」  尋常な力じゃな […]

  • 2018.05.19

第62話 エルオードとエクセリア

     /エクセリア  なぜ、あんなことをしてしまったのか。  理由は簡単で、考える必要のないこと。  それでも、なぜ、と思わずにはおれない。  そうすることの弊害が、分かっていなかったはずもない。  死神に見られる危険まで冒し、しかも真斗を裏切るような行為ですらあった。  しかし、そんなことをあの一瞬に考えたわけではない。  気づいたら、彼を庇ってしまっていた……。 『――実をいうとですね。当 […]

  • 2018.05.12

第61話 激闘②

     /真斗 「…………!」  木々をなぎ倒して、俺は背後を振り返る。  所々肌が焦げて、嫌な匂いを発しながら煙が上がっている。  しかしそれは、柴城も同じことだ。  振り返り、俺と同じような惨状になりながら、笑う。 「――シャクティオンか。見様見真似にしては、大したものだな」 「くそ……。やっぱり押し負けたか」  それは認めざるを得ない。  俺が柴城に対して放ったのは、かつてアルティージェが […]

  • 2018.05.05

第60話 激闘①

     /茜  響き渡った剣戟に、私は顔を上げた。  こっちを心配そうに見つめる由羅と、イリス。  その向こうで真斗と柴城が戦っている。 「茜……」  表情を曇らす由羅の顔を見て、きっと今の自分はひどい顔をしているのだろうと思った。  ――本当に久しぶりに、泣いてしまった。  もう、涙はいい。 「すまない……」  由羅の手を借りて、立ち上がる。 「茜。真斗はわたしに貴女を守れって」 「……ああ」 […]

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